八島 由幸 教授

教員紹介

主な担当科目

情報ネットワーク概論,コンピュータネットワーク基礎,

ネットワークプログラミング演習,

コンピュータビジョン,画像処理特論,

情報科学基礎ゼミナール,情報科学応用ゼミナール

専門領域

画像圧縮符号化,映像通信,画像認識/解析,視覚情報処理

研究テーマ

  1. 効率的な伝送・蓄積を可能にする画像圧縮符号化処理

  2. 機械学習に基づく知的画像解析/画像認識

  3. 人間の視覚特性を考慮した画像表現と画質評価

研究業績

情報通信会社において,26年間,画像符号化アルゴリズム,画像符号化ソフトウェア/LSI,映像通信システムへの応用などに関する研究開発実務,および,ISO/IEC JTC1/SC29映像符号化国際標準化に携わりました.2009年より本大学にて,画像圧縮符号化の高度化に取り組むとともに,機械学習や画像認識を取り入れた次世代映像処理技術を追究しています.

研究論文・特許・表彰・社会貢献など (→researchmap)

研究紹介

写真やビデオのような画像信号は膨大な情報量のため,MPEGやJPEGのような国際標準圧縮方式が検討され,デジタル放送・家電製品のほか,YouTube,Facebook,Line等に代表される各種SNSによる映像通信など,様々な産業に利用されています.本研究室では,画像を効率的に伝送・蓄積するためのデータ圧縮,画像解析,画像認識の研究を行っています.

人間の視覚特性や最新のAI/機械学習による画像処理技術の概念を取り入れて,次世代を担う新たな映像符号化技術を追究するとともに,高精細映像配信,映像監視システム,映像認識などへの応用についても取り組みます.具体的な研究内容は以下のとおりです.詳細は研究室Web をご覧ください.

  1. 高圧縮高機能映像符号化伝送処理の研究

  • JPEG,H.265/HEVC,H.266/VVC映像圧縮国際標準方式の高画質化

  • ネットワークに適応して自動で画質を変えるスケーラブル符号化

  • 機械学習の画像圧縮符号化応用

  • 5Gを活用する4K/8K/HDR超高精細広色域映像処理

  1. 知的映像生成/認識処理の研究

  • 原画よりもきれいに見せる超解像技術

  • 雑音やエラーを違和感なく修復する画像復元

  • AI/機械学習/ディープラーニングを用いた画像認識

  • 漫画/アニメーション画像処理,自動カラー化

  1. 視覚特性を考慮した映像高品質化処理の研究

  • 注視する領域を変化/劣化させない映像表現

  • 視覚心理を応用した映像提示(視線や記憶色の応用)

  • 画像の好ましさや審美度の定量化(構図・色使い・デザイン)

主な授業の紹介

◆コンピュータビジョン

画像処理システムは,放送分野(地上デジタル放送,4K/8K放送,映像編集),家電分野(デジタルカメラ,ビデオ録画),通信分野(映像配信,各種SNS),インフラシステム(映像監視,車載カメラ,医療システム)など,我々の社会生活に深く浸透しています.特に,ディープラーニングに代表される機械学習を用いた画像認識や,インターネットで効率的に映像通信を行う画像圧縮は,画像メディア処理分野を牽引する技術です.一見高度な画像処理システムも,詳細をひもとくと基本的な画像処理アルゴリズムの組み合わせから成り立っています.本講義では,画像処理・画像認識・画像通信の基礎について理論的な観点から学習するとともに,画像処理プログラムを利用した実践的な演習によりデジタル画像処理を体験的に学習します.

◆画像処理特論

本科目は,現代社会に深く浸透する2つの画像処理関連技術,すなわち,膨大な情報量を持つ画像データを効率的に圧縮符号化するためのアルゴリズムと実現技術,および機械学習に基づく物体認識や画像識別を中心とした画像認識技術について学習する大学院科目です.本科目で習得する知識は,現在の画像・映像技術を用いた様々な社会的なシステム(インターネット映像配信,映像監視,医療応用,映像教育システム,自動運転,スマート農業など)を推進する上で必要不可欠なものです.具体的には,画像圧縮における基本的な要素技術(予測処理・動き検出・基底表現・視覚適応量子化)の習得とともに,それらを組み合わせることで実現されるJPEG, H.265/HEVC, H.266/VVCなどの国際標準技術の詳細を学習します.また,物体認識処理に必要な画像特徴量(SIFT, SURF,オプティカルフローなど),人物認識・超解像・深層学習など最新の画像処理技術の実現方法についても,最新の話題を提供します.最終的な目的としては,本講義で取り扱う内容を駆使して,一つの画像処理課題にチャレンジし,そのアルゴリズム考案やプログラム作成を通じてアプローチを具現化する力を養います.